こころのおきどころがなくなってきて・・
現実では声に出せないことを書いてみる・・。
今日も母の病室に行ってきた。
一週間ぐらい前に、
「あまり状態がよくないので、面会に来てもらってもいいですよ。」
と、お医者さんから許しをもらったので。
二日前までは、それぼどおかしなことを言ってなかったのだけれど、
今日は、何もない壁に向かって話しかけていた。
「おお、こうじも来てくれたん。」
「きれいな花やなぁ。」
(こうじ君は、いとこです。母からすれば甥っ子です)
半分は現実も見てる。私の顔を見て、名前を言う。
「あんたも、こうじに礼を言うて。」
・・・いやいや・・それただの壁やし。
「おしっこ行くから、起こして。」
母はもう、2か月前から一歩も歩いてないし、ベッドから起き上がることもできない。
看護師さんが来て、説得してくれる。
「下着の中にしてくれたらいいんですよ。先生が起き上がったらだめですよって、言ってますからね。」
排泄の感覚もわかっているような、いないような。
昨日は「うんこした」って言ったけど、嘘だったしなぁ。
腕や首は、やせて、骨ばかりになっている。
しかし肝臓が機能していないせいで、腹水がたまって、下半身はパンパン。
足なんて、むくんでむくんで足首が曲がらないほど、丸太棒のようになっている。
私が自宅に帰ってから・・さっきも電話がかかった。
「森君がしんどくなってるから、郵便局の前まで来てあげて。」
「森君?看護師の?」
「うん。飯田食料品やさんの、お向かいの、森君。」
・・・飯田さんはもう、40年ぐらい前に閉店してます・・。
森くんは、確かに看護師さんですけど。
郵便局は、実家の近所。
そこで車をUターンさせるので、いつも母ちゃんは、そこまで出てきてました。
現実と夢が、ごちゃ混ぜになっていて、何が本当なのか、母にはわからない。
「頼んどくで。待っとるから。」
「わかった。」
本当は私は、「わかった」‥と返事をすることが、怖いのだ。
母の言っていることは、夢を見ているだけで、結局は嘘なわけで、
本当なわけがないのに、本当のように錯覚しそうになるし、
「わかった。」と言っておいて、郵便局まで行かないことに、罪悪感を感じたりするし。
つらいよ。
・・・。
こんなことを感じてはいけないのだと思うけど、
今日は、病室に行くのがつらいと思った。
「コロナのせいで、顔も見に行けない!」
と、憤慨していたけれど、
会えても、何もできないし、
どんどん悪くなっていくのを、見ているだけだ。
カフェの予約を取るのも、いちいち考える。
その頃まで、もつだろうか?
大変な時なんじゃないのか?
断らないといけないかもしれないのに、受けてもいいのか?
でも、今、何も起こってないし、
仕事を休むのも、おかしい気がするし・・・・。
何かを待ってる・・?
待ってるのかな?
待ちたくないのに?
どこまでしんどくなったら、終われるんだろう。
しんどいのが終わるとき、命が終わるの?
そこまでいかないと、終われないの?
死ぬほどしんどいって、どういうことよ?
でも
「明日も来るわ。」と言ってしまった。
明日も行く。
何か、持って。
まだ食べられるし。
ひとさじ、ふたさじだけど。
おかゆか、プリンか・・。
明日も、・・行く。