吉本ばなな「キッチン」の違和感
何を思ったか、次女が「吉本ばななの本読んでみたい」というので、
「キッチン」だけ持ってるよ。と言ってたんですが、
先日のじじばばゆの蔵ツアーで持って行くのを忘れたわたしです。
本棚の奥から引っ張り出してきましたが、少し茶色く色あせてました。
せっかくなので、ちょっくらもう一度読んでみるかということで、手に取ってみたらば、あっさりと2時間かかからず読んでしまいました。
こんなに短かったっけ?
脳みそニワトリ並の私ですので、ストーリーはさっぱりきれいに忘れていて、
「ひとりぼっちの女の子の話」な印象だったんですが、
えーと・・どうしても違和感を覚える箇所がありました。
最初読んだ時も同じでした。そこんとこだけ記憶がある。
私と同じこと感じる人いないのかなと思って、レビューを探してみたけど、
ありませんでした。
みんな素直だ。私だけひねくれてるのか?
何かと言いますと、
『カツ丼』です。
カツ丼って、カツを油で揚げて、ごはんに乗せてから、その上に出汁と卵をかけるのか、
出汁の中にカツを入れて卵をかけるのか、作り方はいろいろあろうと思いますが、
出来上がってから、10分が賞味期限ではないか??と思うわけです。私は。
もし、出前している時間が1時間だったとしたら、カツの衣のサクッと感など残っていようはずもない。それに、出汁のかかったごはんだってふやけちゃう。なにが、最高においしいカツ丼だ。おいしさ半減ですよ。
主人公がお料理にこだわらない人という設定ならいいんです。
でもみかげは、お料理を仕事にしてる人なんだもの。
煮物とか、唐揚げならいいよ?ぶよぶよにならんから。
どんぶりはアカン。
こんなちっさいこと気になるのは、私だけ?・・私だけかなぁ・・。
それ以外は、まぁ、こういう雰囲気の話か~・・と、受け止められなくはないです。
身近な人の死と、孤独と、やさしさと、嫉妬と、ゆるーい愛と。
みかげや雄一や登場人物にことごとく身内や親戚がいないのも、
いくら孤独だからって、赤の他人の家に転がり込んでしまうことも、
最愛の人を亡くしたからって、お父さんが女になってゲイバーで働くのも、
つきあってもいないのに、恋人でもない女性が職場まで来て嫉妬の嵐を吹かせるのも、
まぁ、すべてが無理やりっぽくて、おかしいっちゃおかしいけど、
それが本ですし、その本の個性というモノで、表現されている「孤独」や「優しさ」や「愛」には、しっくりと共感できたりします。
だから、この本を好きになるかどうかは、結局、それぞれの好みだと思います。
私は、歳をとって、随分ひねくれてしまったなぁ・・。